「どうやら当たりみたいだぞ。」


池田屋に着いたとき、平助はそう僕に言った



ほら、言ったでしょ。
悪運は強いって



だけど、この即席で作られた隊の隊長の近藤さんはどうやら迷っているみたいだ



ここで、攻めるか、待つか。



勿論、攻めた方がいいと思うのが僕の意見だけど、最終的には近藤さんの決定事項に従う



一応、土方さん達の隊に伝えに行くみたいだけどそんなことをしていたら間に合わない。



何処からか聞こえるどんちゃん騒ぎ。



それが徐々に消えかけた時だ


「行こう。」


そんな近藤さんの決意の言葉がその場にいる隊士達の耳に届く



始まる。



カチャ、と腰にある刀、”加州清光”を抜く


「どちらが多く手柄を立てられるか勝負だね平助。」


隣で僕と同じように刀を抜く平助にそう言うと
「負けねぇし」
と言った感じでお互い気合いを入れる




「御用改である!
歯向かうものは斬る!!!」



ドンッ、と荒々しく池田屋の扉を蹴るとそう叫ぶ近藤さん



こっちが不利なのに堂々と宣言しちゃうから困るんだよなぁ。