変わり者同盟

「私は、辛かったから。

おふざけでも、やられて、苦しかったから。

だから、謝って。」


声が震える。

だって、怖い。
何を言われるのか、怖くて怖くてたまらない。

でも、久流君も頑張ってるはずだから・・・だから、私も、頑張らなきゃ・・・。


「それは、冬香だけの考えでしょ？私達に悪気はなかったんだから「でも、謝って。」」


私は、美沙ちゃんの言葉を遮って言う。

頑張れ、頑張れ、私。
ちゃんと、気持ち、伝えるんだ。


「悪気がなくても、私は、傷ついたから。
悲しかったから。

だから、謝って。」


私が言い終わると、少しの間、沈黙が流れた。

けれど、すももちゃんが沈黙を破る。


「・・・仲間に、入れてあげたのはこっちなんだよ？
それなのに、悪気もなかったのに、謝れって、冬香は言うの？」

眉間にしわを寄せて、じっと睨むように私を見るすももちゃん。


私は頷いた。

「うん、そうだよ。謝って。
仲間なら、言ってもいいよね？謝って、って、本音言ってもいいよね？」


すももちゃんと菜子ちゃんと美沙ちゃんの視線が、痛い。
冷たくって鋭い。


「・・・・・・・・・ね、本当に仲間だと思ってるの？」

不意に疑問を紡いだのは、美沙ちゃん。


「あんなふうに言われ続けて、やられ続けて、仲間だって本当に思ってるの？」

私は、静かに首を振った。


「・・・思ってない。もう、思ってないよ。
私は、皆の仲間なんかじゃなかったんだよね？」