―――――――――――――――――――――――――――――・・・・・・
放課後。
誰もいない教室の奥で、私はすももちゃんと菜子ちゃんと美沙ちゃんと向かい合っていた。
「冬香、話って何?もう、部活遅刻決定なんだけど。」
イラついた声で言ったのは菜子ちゃん。
頑張って絵を描いている菜子ちゃんにとって、部活時間はとても大切な時間なんだと思う。
だけどごめん。
私、3人と話さなきゃ駄目なんだ。
ケリ、つけたいんだ。
「ごめんね、菜子ちゃん。でも、どうしても皆と話したくて。」
「何を?久流君のこと?お弁当のこと、謝れって?」
すももちゃんが、いつもと逆の声を出す。
私は、怯みそうになる自分を叱咤して、拳を握り締めて、すももちゃんを真っ直ぐに見た。
「うん、そうだよ。謝って。」
すももちゃん達は、虚を疲れたように目を見開いた。
「私に今までしたこと、謝って。
鞄持たせたこと。
ノートに落書きしたこと。
悪口言ったこと・・・
もっと他にもやった、私への意地悪について、謝って。」
「謝れって・・・ただの、おふざけだよ?」
菜子ちゃんが困惑したように目を泳がせて言う。
私は、菜子ちゃんをじっと見据えて言った。
「おふざけでも、謝って。」



