変わり者同盟

・・・・・・確かに・・・

滅多に人が来ないとはいえ、女子トイレだし。


「よし。じゃ、出るか、比佐乃。」

「あ、私は、あの、もう少しここにいてもいい、かな?
目、赤いし、腫れぼったいと思うから・・・」

「駄目だ。」


久流君はばっさりと私の意見を退けた。


「比佐乃1人だけ、置いていけるわけないだろ。
それに、弁当はどうすんだよ。」

久流君の言葉に、ハッとした。


「あ、久流君、ごめんなさい!!!」

即座に頭を下げて、申し訳なさいっぱいの気持ちで言った。


「その、手違いで、お弁当の中身がここの床に散乱しちゃって・・・」

「・・・そうか。
じゃ、購買にでも行くか。」


久流君はあっさりとそう返してくれた。

頭を上げれば、久流君は歩き始めていたけれど、振り返って言った。


「顔を人に見せたくないんなら、俺の影に隠れてていい。
だから、来いよ。」

「かぁ」


そうだよというように、クロが鳴く。

私は、胸をいっぱいにしながら、頷いた。



「ありがとう!」











―――――そうして。

購買で残っていたパンを買って、私と久流君とクロは、“本当の裏庭”に戻ったのだった。