変わり者同盟

「かぁー」

ばさばさと、見慣れたカラスが飛んできた。


「あ、クロ。どこに消えたかと思ったぞ。」

「久流君、ココ、校舎内・・・」


カラスが入ってきちゃ駄目なんじゃ・・・

「でも、比佐乃の居場所見つけたの、こいつだし。」

「・・・・・・・・・え?」


さらりと発せられた言葉に、私は思わず声を上げた。

だって・・・・・・クロが?
というか、そういえば久流君なんでっ・・・・・・


私の疑問を見透かしたかのように、久流君が口を開いた。


「俺、“本当の裏庭”に寝転んで比佐乃待ってたんだ。

そしたら、クロが突然やってきて、俺のうでとか突っつくんだよ。


意味がわからないまま、とりあえず立ち上がれば、クロが付いて来い、みたいな感じで俺の前を飛んだ。


けっこう早かったけど、とりあえず追ってみたら、ここに着いた。

さすがに、女子トイレだし入るのためらったんだけど、比佐乃の泣き声が聞こえたから・・・


何も考えずに、入っちゃったみたいな。」



・・・・・・・・・・・・何、それ・・・・・・

久流君、最後の言葉、嬉しすぎるよ・・・///


――でも、何より・・・


「クロ、なんで久流君をここに連れてこれたの?
私が泣いてたこと、知ってたの?」


クロに疑問をぶつけるも、クロは答える素振りも見せずに、毛づくろいを始めた。

久流君はそんな疑問をもっていないのか、今気付いたというように声を上げた。


「俺、出なきゃ駄目だな。」