変わり者同盟

「弁当頂戴。」

「・・・・・・・・・・・・」


そういえば今、お昼休みでした。

というか、『弁当頂戴。』って、久流君まさか・・・


「もう、立ち直った感じですか?」

「あぁ。悩んでもしょうがねぇし。とりあえず、今日の放課後にでも母さんに会いに行く。」


決然とした表情で言う久流君は、やっぱり凄い。

さっきまで弱弱しかったのに、もう、立ち直って、次を見据えてる。

その強さが、すごく、羨ましいと感じた。


「・・・すみません。お弁当、教室に置いてきちゃいました・・・・・・。今すぐ、取ってきます!」

「サンキュ!比佐乃。けど、敬語になってる。」


駆け出した私に届いた久流君の言葉に、もう遅いのに、口元を手で覆ってしまった。

わわわ・・・またやっちゃった・・・。


反省しながらも、私はすぐに教室に向かった。







息を弾ませながらも教室に着いた私は、鞄の中からお弁当箱を2つ取り出した。

そして、“本当の裏庭”へ行こうとしたときだった。


「冬香、話あるんだけど。」

鋭い声に、呼び止められた。


ドキッとした。

だって、あまりに冷たい声だったから。


おそるおそる後ろを振り返り、さぁーっと血の気が引くのを感じた。


「すももちゃん、菜子ちゃん、美沙ちゃん・・・」


私の後ろに立っていたのは、すももちゃんと、菜子ちゃんと、美沙ちゃんだった。