変わり者同盟

――そうだよ・・・久流君・・・・・・。

血の繋がりがなくて、寂しいって思ったんだもん。
家族に、決まってるよ。


「・・・・・・・・・比佐乃・・・。」

きゅぅっと、今度は軽く力が強められる。


「ありがとう・・・愚痴、聞いてくれて・・・嫌悪感、抱かないでくれて。」

体が離れる。


久流君が、私の瞳を覗き込んで、優しく優しく、微笑んでくれた。


それだけで、私は心がふわりと軽くなった。

良かった・・・。久流君が、笑ってくれた。笑いかけてくれた。

良かったぁ・・・。


胸を撫で下ろしていると、久流君が頭を下げた。


「・・・・・・・・・今更だけど、抱きしめてすみませんでした。」


・・・・・・・・・・・・・・・えぇ!?

「え、いや、そんなっ・・・私はただ、久流君を支えたかっただけだし・・・
わ、私としてはラッキー!みたいな・・・・・・・」


って、何言ってるの私!!!
ラッキー!って、変態みたいだよっ!

あたふたと意味もなく両手を上げ下げしていると、久流君は成程というように言った。


「あぁ、寒いもんな。」


・・・・・・・・・・・・・・・えぇ!?

そ、そういう方向にいくの?


そう思いながらも、私は「う、うん・・・。」と頷いてお茶を濁すことしかできなかった。

なんていうか、久流君って変わってるっていうか、鈍感っていうか・・・。

でも、妙なところに鋭いからなぁ・・・。


「あ、そうだ比佐乃。」

「はい?」

何かを思い出したらしい久流君は、私に手を差しだした。