変わり者同盟

胸の痛みをこらえて、ヘラヘラ笑いながら言う。

「そうかなぁ。」


軽い口調に、なってるかな?
声、震えてないよね?

そう心配しつつも、私は口を動かし続ける。

「確かに、私の顔ってものすごーい平凡だもんね!
久流君も同情してくれるかなっ!」


明るく、軽く、軽く。


「きっとしてくれるよぉ~!だから冬香、頑張ってー!」

すももちゃんが笑みと共に紡いだ言葉に、美沙ちゃんと菜子ちゃんが声を立てて笑う。


そしてその後、スッと笑いを引っ込めると、菜子ちゃんが言った。

「冬香、あたしたちの言ったこと、ちゃんとやってよねぇ~!だって、友達でしょ?」



友達。

・・・友達って、こういうモノだったっけ?


疑問を心の奥に押し込め、私は頷いた。

「・・・・・・うん、頑張る!」


他に、答えるべき言葉なんて、見つからないよ・・・。

やっぱり、私は弱虫で、意気地なしだ。


私の答えを聞くと、美沙ちゃんが軽い口調で念を押してきた。

「絶対、よ。」

「うん。」


私が頷いたのを見ると3人は頷き合い、「じゃ、先に戻ってるね。」と、トイレから出て行った。


3人の姿が消えると、私はトイレの壁によりかかり、ずるずると座り込んだ。

なんだか、モヤモヤして、色々な感情がぐるぐると渦巻いている。


「・・・・・・っ・・・」

涙がこぼれそうだったから、ぐっと歯を食いしばった。

せめて、泣かずに教室に戻りたい。