私は思い出す。
確かに、いたな。そんな子が。
まだ新米だった私は、入学式が終わった後、これからのことがなんだか不安で、すがるようにここに来ていた。
静かで穏やかな森は、私の故郷である青森を思い出させたからだ。
――そうしたら。
先客がいたのだ。
木の根元にしゃがみこんで、どこまでも寂しそうな瞳をした、先客が。
『あの子・・・・・・あなただったの?』
私が呟けば、彼は穏やかに微笑んだ。
『そうだよ。あれ?分かんない?』
『分からないわよ。あなた・・・変わったわね。』
『あー・・・確かに、身長伸びたなぁ・・・・・・。』
納得、というように頷いている彼を見ながら、私は首を振った。
『確かに、体も変わったけど・・・それより、雰囲気が違うわよ。
なんだか、すごく、大人っぽくなったっていうか・・・穏やかになったっていうか・・・。』
もごもごと言えば、彼は『あぁ。』と、頷いた。
そして、照れくさそうに、頭をかきながら笑った。
頬が、ほんのり赤く染まった彼は、可愛くて、愛しかった。
『それは、ヒーロー真由美のおかげだな!』
照れ隠しのように、彼はやけに明るく言った。
確かに、いたな。そんな子が。
まだ新米だった私は、入学式が終わった後、これからのことがなんだか不安で、すがるようにここに来ていた。
静かで穏やかな森は、私の故郷である青森を思い出させたからだ。
――そうしたら。
先客がいたのだ。
木の根元にしゃがみこんで、どこまでも寂しそうな瞳をした、先客が。
『あの子・・・・・・あなただったの?』
私が呟けば、彼は穏やかに微笑んだ。
『そうだよ。あれ?分かんない?』
『分からないわよ。あなた・・・変わったわね。』
『あー・・・確かに、身長伸びたなぁ・・・・・・。』
納得、というように頷いている彼を見ながら、私は首を振った。
『確かに、体も変わったけど・・・それより、雰囲気が違うわよ。
なんだか、すごく、大人っぽくなったっていうか・・・穏やかになったっていうか・・・。』
もごもごと言えば、彼は『あぁ。』と、頷いた。
そして、照れくさそうに、頭をかきながら笑った。
頬が、ほんのり赤く染まった彼は、可愛くて、愛しかった。
『それは、ヒーロー真由美のおかげだな!』
照れ隠しのように、彼はやけに明るく言った。



