変わり者同盟

低い声。冷たい言葉。

『キモい』

その言葉が、やけに胸に鋭く刺さった。


自分が可愛くないってことは、承知していたけど・・・いざ他人に言われると、ちょっぴり痛い。


すももちゃんの瞳を見れなくなった私は、パッと俯いた。

途端、3人から嘲笑が起きる。


「ハハハッ!分かってるんなら、最初からやんないでよーっ」

「ホント!すももの言う通り!冬香ってアホなの?」

「菜子、その言い方はまずいって。自意識過剰って、ちゃんと言ってあげなきゃ。」


すももちゃんが軽やかな笑い声をたて、菜子ちゃんが同意し、美沙ちゃんがさらりと菜子ちゃんに注意した。

・・・自意識過剰、か。


私はヘラヘラと薄い笑みを貼り付ける。


"イジられ役"は、笑ってなきゃ駄目なの。辛そうな顔したら『しらけるー』って言われたことがあるから。

冷たい瞳で、見られたから。


3人はひとしきり笑った後、じっと私を見た。そして、美沙ちゃんがふはっとふきだした。


「やだぁ~!冬香の顔見てたら、笑いがこみあげてきたー!

大丈夫だよ冬香~。

あんたのその綺麗さも可愛さもカケラもない平凡な顔を見たら、久流君も笑ってくれるって!」

あははははっと、笑いながら、菜子ちゃんは言う。


湧き上がってくる惨めさを、耐えるために、私はぎゅぅっと手を握り締める。


「ふふふっ。そうね、確かに、冬香の平凡すぎる顔なら、久琉君も哀れんで親切に接してくれるわよ。」

美沙ちゃんは上品に笑いながら、意地悪っぽく言う。


「確かに~♪冬香なら、平凡すぎるから久流君も話してくれるよ~」

すももちゃんは愛らしく微笑みながら、楽しそうに言う。