変わり者同盟

えと・・・これは、自惚れちゃ・・・・・・駄目だね!


だって、ほら、久流君と私って変わり者同盟結んでるわけだし!

その目的は“親睦を深める”なんだから!

好きじゃなかろうと、誰だって仲良くなろうとしている相手に即答されたら傷つくよ!


なんとかかんとか久流君の思いを推察し、私は勘違いしそうになる自分自身をなだめた。

「すみません、久流君!
私、久流君と仲良くなりたいんですけど・・・あの、久流君は誤解されたりするの嫌かなぁって・・・思いまして・・・。」


ぽつぽつと答えるも、久流君は不機嫌な顔のまま。

「ふぅん・・・。誤解、か。まぁ、そうだよな。」


久流君は何やら含みのある言い方をし、いつもの表情に戻り、真っ直ぐに私を見つめた。

「確かに、比佐乃は俺の彼女じゃないよな。」


――ズキッ

真っ直ぐに、そう、言われると・・・胸が、痛む。

分かってるけど、本人から・・・そんなに、真っ直ぐに、言って欲しくなかった。


そう思うのは、ただの私の我がままだと、分かってはいるけれど。

それでも、胸が痛むなんて、なんて厄介なんだろうね。


思わず俯いた私に、上から久流君の声が降ってくる。

「けど。俺も比佐乃と仲良くなりたいから、これからもよろしくな。」


優しい、柔らかい声。

顔を上げれば、久流君は優しく微笑んでいて。

ぽんぽんと、私の頭を撫でた。


「まず、敬語なくせよ。そんで、一緒に笑おう。」

泣きたいくらいに、胸が温かくなった。


―――充分だよ。

久流君の彼女になれなくても、久流君と笑いあえるのならそれで、充分。


私は静かに、何度も何度もコクコクと頷いた。