変わり者同盟

ピリピリしてる・・・。

その異様な空気の中、部屋に入った私にすぐに大河内さんが気付き、眉をひそめた。


「誰だい、アンタ。」

元々つり目なのに、更に目じりがつり上がる。
ぎょろりとした目が、私に向けられただけで、私は震え上がった。


こ、怖いっ・・・

けれども久流君はそんなことには構わずに、普通に私に話しかける。


「比佐乃、遅かったな。何かあったのか?」

何か・・・?
いや、ビビッてただけなんだけど・・・


おろおろしていれば、大河内さんから耳を疑う発言が。

「あぁ、アンタ、久流和真の彼女かい。」


!?

えぇっ!?なんで、さっきの会話でそうなるの!?


唖然としていれば、大河内さんが首を傾げた。

「違うのかい?」

「違いますっ!!!」

私なんかが久流君の彼女とか、おこがましすぎる!!!


即座に否定すれば、大河内さんは「でも・・・」と言い、ちらりと久流君を見て、成程というように頷いた。


どうやら、久流君の私への恋愛関係の興味のなさが分かったみたい。

誤解されなくて一安心だけど・・・正直、ちょっと、胸が痛い。



「・・・あのさ、比佐乃。」

胸の痛みを、拳を握り締めて耐えていると、久流君が小さな声で私に話しかける。


「そんな、即答しないでくんない?さすがに、傷つくって。」

へ?

顔を上げれば、久流君が眉間にしわを寄せていた。


かなーり不機嫌そう・・・。