変わり者同盟

「・・・・・・頑張る・・・・」

「応援してる。」


どうしようもなくなった私が小さく呟けば、久流君がにこりともせずに、生真面目に返してくれた。


その後、久流君は私を捨てられた子犬のような瞳で私を見つめた。
そして一言。


「弁当頂戴。」

「・・・・・・・・・どうぞ。」


お弁当欲しいからって、そんな瞳で私を見ないで欲しい。
ドキドキ、しちゃうから。


久流君はそんな私には気付かず、さっそく草の上に座り、にこにことお弁当箱を開けている。

「いただきます。」


そして私を完全無視して、黙々と食べ始めた。

・・・・・・マイペース・・・


しみじみしつつ、私も草の上に座り、手を合わせた。

「いただきます。」


おにぎりを頬張りつつ、右隣の久流君をちらりと盗み見る。

やっぱり端整なその顔は、本当に美味しそうに私が作ったお弁当を口に運んでいる。


ほわりと、心が軽くなった。

久流君が美味しそうに食べてくれてるってだけで、馬鹿みたいに舞い上がりたくなる。


嬉しい。もの凄く。

それは、憧れの久流君に、作ったお弁当を美味しそうに食べてもらったからだよね。

それに、一緒にいれるだけで、凄くドキドキするけど・・・満たされる、っていうか・・・
幸せ、って、思えるんだ。


それは、久流君が、私の憧れだから・・・だよね?


そこまで考えて、ん?と、思った。

違和感を、感じる。