久流君に連れられて来たのは“裏庭”。
久流君は私の腕を離さずに、顔だけ振り向いて私に聞いてきた。
「比佐乃さ・・・宮部(ミヤベ)たちと、友達なのか?」
宮部・・・すももちゃんの苗字だ。
私は静かに頷いた。だって、友達、だもん・・・。
久流君は、私の腕を握る力を強めた。
「本当に?」
真っ直ぐな視線。澄んだ瞳。
ねぇ――そんな、何かも見透かすような瞳で・・・私を、見ないで・・・・・。
その、黒い瞳に引き込まれるより前に、私はふいっと視線を逸らし、俯いた。
「・・・・・・本当、です・・・」
痛い。
久流君の、射抜くような視線が、痛いよっ・・・。
「・・・・・・ふぅん・・・そうなのか。」
久流君は、ビックリするぐらい簡単にそう言い、私の腕を放した。
「比佐乃がそう言うんなら、友達なんだろうな。」
さっきまでの痛いくらいの視線は消えて、代わりに久流君はさらりと話を変えた。
「“裏庭”についてだけど、とりあえず先生に聞いてみるのがいいかと思う。
あと、卒業生した人達とか。
何も分からないから、とりあえず情報収集が1番だと思うんだけど、比佐乃は、どう思う?」
あまりにさらりと変えられた話題に驚きつつも、私は頷いた。
「それがいいと、思います・・・。」
「ん。じゃ、これでいこうか。比佐乃も、情報収集よろしくな。
あと、敬語になってる。直せよ。」
・・・・・・う゛っ
「やっぱり敬語、直さなくちゃ駄目ですか?」
「当然。」
おずおずと言い出すも、久流君は即座に、にべもなく答えた。
久流君は私の腕を離さずに、顔だけ振り向いて私に聞いてきた。
「比佐乃さ・・・宮部(ミヤベ)たちと、友達なのか?」
宮部・・・すももちゃんの苗字だ。
私は静かに頷いた。だって、友達、だもん・・・。
久流君は、私の腕を握る力を強めた。
「本当に?」
真っ直ぐな視線。澄んだ瞳。
ねぇ――そんな、何かも見透かすような瞳で・・・私を、見ないで・・・・・。
その、黒い瞳に引き込まれるより前に、私はふいっと視線を逸らし、俯いた。
「・・・・・・本当、です・・・」
痛い。
久流君の、射抜くような視線が、痛いよっ・・・。
「・・・・・・ふぅん・・・そうなのか。」
久流君は、ビックリするぐらい簡単にそう言い、私の腕を放した。
「比佐乃がそう言うんなら、友達なんだろうな。」
さっきまでの痛いくらいの視線は消えて、代わりに久流君はさらりと話を変えた。
「“裏庭”についてだけど、とりあえず先生に聞いてみるのがいいかと思う。
あと、卒業生した人達とか。
何も分からないから、とりあえず情報収集が1番だと思うんだけど、比佐乃は、どう思う?」
あまりにさらりと変えられた話題に驚きつつも、私は頷いた。
「それがいいと、思います・・・。」
「ん。じゃ、これでいこうか。比佐乃も、情報収集よろしくな。
あと、敬語になってる。直せよ。」
・・・・・・う゛っ
「やっぱり敬語、直さなくちゃ駄目ですか?」
「当然。」
おずおずと言い出すも、久流君は即座に、にべもなく答えた。



