――――――――――・・・・・・
私は一時間目の古文の授業を聞き流していた。
“本当の裏庭”
久流君が話してくれたことが、頭から離れない。
『つまりさ、一般の奴らが“裏庭”だと思ってるあのゴミ置き場はただのゴミ置き場なんだよ。』
・・・・・・そう。
私が裏庭だと思っていたのは、校舎の裏のゴミ置き場。
そこは、小さなスペースがあって、花や草も生えているから、皆そこを裏庭だと思っていた。
けれど、久流君のよると、そうではないらしい。
『裏庭はさっきのあそこなんだけど・・・あそこは秘密なんだよな。
大切な場所だから、汚されたくないんだって。だから、誰も知らない。』
じゃあ、なんで久流君が知ってるのと聞けば。
久流君はあっさりと爆弾発言をした。
『俺、校長の孫だから。』
・・・・・・・・・初耳だった・・・。
すももちゃんも、そんなこと一言も言ってなかったし。
そもそも、校長先生のことなんて皆考えてないもんね・・・。
『あ、でも、汚されたくないっていうのは、じいちゃんが言ったことじゃないから。
じいちゃんは汚して欲しくないって、ある卒業生に言われただけらしいから。』
ある卒業生、か。
それが誰かは、久流君も知らないみたい。
プライバシーの侵害になっちゃうんだって言ってた。
・・・・・・大切な場所・・・。
私も、だ。
私も今日、あの場所が大切な場所になった。
汚されたくなんか無い、とても大切な場所になった。
私は一時間目の古文の授業を聞き流していた。
“本当の裏庭”
久流君が話してくれたことが、頭から離れない。
『つまりさ、一般の奴らが“裏庭”だと思ってるあのゴミ置き場はただのゴミ置き場なんだよ。』
・・・・・・そう。
私が裏庭だと思っていたのは、校舎の裏のゴミ置き場。
そこは、小さなスペースがあって、花や草も生えているから、皆そこを裏庭だと思っていた。
けれど、久流君のよると、そうではないらしい。
『裏庭はさっきのあそこなんだけど・・・あそこは秘密なんだよな。
大切な場所だから、汚されたくないんだって。だから、誰も知らない。』
じゃあ、なんで久流君が知ってるのと聞けば。
久流君はあっさりと爆弾発言をした。
『俺、校長の孫だから。』
・・・・・・・・・初耳だった・・・。
すももちゃんも、そんなこと一言も言ってなかったし。
そもそも、校長先生のことなんて皆考えてないもんね・・・。
『あ、でも、汚されたくないっていうのは、じいちゃんが言ったことじゃないから。
じいちゃんは汚して欲しくないって、ある卒業生に言われただけらしいから。』
ある卒業生、か。
それが誰かは、久流君も知らないみたい。
プライバシーの侵害になっちゃうんだって言ってた。
・・・・・・大切な場所・・・。
私も、だ。
私も今日、あの場所が大切な場所になった。
汚されたくなんか無い、とても大切な場所になった。