変わり者同盟

「比佐乃。」

「ひゃいっ!?」


いきなり呼ばれた私は、思わず変な声を出してしまった。

は、恥ずかし・・・///


久流君は、顔に熱が集中している私を見て、一瞬沈黙した後「ふはっ」とふきだした。


「ハハッ・・・比佐乃、『ひゃい!?』って・・・くくっ・・・しかも、赤くなってるし・・・・・・」


わ、笑われてるっ・・・!!!

ショックを受けていると、久流君から予想外な言葉が放たれた。

「比佐乃って、おもしれー」


私は目を丸くする。
生まれてこの方、一度も面白いなんて言われたことがない。

面白みの無い人間なんだと、ずっと思ってた。

なのに・・・『おもしれー』?
さっきの『ひゃいっ!?』で、どうして『おもしれー』?

普通、緊張しすぎだろ、とかじゃないの?


目を瞬いていると、久流君が首を傾げた。

「なんで、驚いた顔してんの?」


さっきの『おもしれー』発言は、至って普通のことだというように、久流君は自然に聞いてきた。


・・・・・・久流君って、やっぱり変わってる・・・そう再確認した時だった。

「ハハハッ!比佐乃って変わってるなぁ。」


・・・久流君から、またもや予想外すぎる言葉が放たれたのは。

変わってるのは、久流君の方ですよっ!


なんて、反論することは、できなかった。

私が気弱だっていうのもあるけど、ソレより何より。


久流君の、あんまりに無邪気な笑顔を初めて見たから・・・心臓が、うるさいんだ。


いつもの“孤高な一匹狼”ってイメージからは想像つかないような、笑顔。