でも、それができなかったのは、あたしの気持ちがまだついていかないから。
単にあたしが弱いから。
「・・・・・・嫌な奴。」
「ホントホント!」
自嘲気にポツリと呟けば、ふざけた口調の声が同意した。
驚きながらも声のした方を見れば、案の定声の主の菜子と、苦笑している美沙がいた。
「部活行くとか言っといてここでサボってるとかマジないんですけどー!」
部活命!というような菜子はかなりご立腹の様子。
びしぃっとあたしを指さしている。
「まぁまぁ。菜子、今日は見逃してあげましょうよ。
すももは今、難問と戦ってるんだから。」
美沙が微笑みながら菜子を宥めれば、菜子は渋々というように、手を下ろした。
それを見届けた美沙は、やれやれというように肩をすくめた後、あたしを真っ直ぐに見て言った。
「あたしと菜子、冬香と『友達になろう』って言ってたの。」
いい終えると、ふわりと美沙は微笑んだ。
やっぱり空気を読ませてしまった2人には悪いことしちゃったな・・・。
美沙の微笑をみて、ふっと思ったけど、そんなことは言わなかった。
「普通、『友達になろう』ってわざわざ言葉にする?
友達って、自然となるものでしょ。」
換わりに出てきたのは、トゲトゲした言葉。
けれど美沙は微笑んだまま応えた。
「言うよ、私達の場合は、ね。
冬香をもう苦しめた私達はちゃんと言葉で伝えなきゃだめだったの。
どんなものでも、“言葉”は、一度口から出したら、もう戻ってはこないから。
だからこそ、私達は言葉に出して言わなきゃ駄目だったの。
それに、そもそも言葉にしなきゃ伝わらないことってたくさんあるものね。」
穏やかな美沙の言葉に、あたしは素直に頷いた。
確かにそうだよね・・・って、思えたから。
単にあたしが弱いから。
「・・・・・・嫌な奴。」
「ホントホント!」
自嘲気にポツリと呟けば、ふざけた口調の声が同意した。
驚きながらも声のした方を見れば、案の定声の主の菜子と、苦笑している美沙がいた。
「部活行くとか言っといてここでサボってるとかマジないんですけどー!」
部活命!というような菜子はかなりご立腹の様子。
びしぃっとあたしを指さしている。
「まぁまぁ。菜子、今日は見逃してあげましょうよ。
すももは今、難問と戦ってるんだから。」
美沙が微笑みながら菜子を宥めれば、菜子は渋々というように、手を下ろした。
それを見届けた美沙は、やれやれというように肩をすくめた後、あたしを真っ直ぐに見て言った。
「あたしと菜子、冬香と『友達になろう』って言ってたの。」
いい終えると、ふわりと美沙は微笑んだ。
やっぱり空気を読ませてしまった2人には悪いことしちゃったな・・・。
美沙の微笑をみて、ふっと思ったけど、そんなことは言わなかった。
「普通、『友達になろう』ってわざわざ言葉にする?
友達って、自然となるものでしょ。」
換わりに出てきたのは、トゲトゲした言葉。
けれど美沙は微笑んだまま応えた。
「言うよ、私達の場合は、ね。
冬香をもう苦しめた私達はちゃんと言葉で伝えなきゃだめだったの。
どんなものでも、“言葉”は、一度口から出したら、もう戻ってはこないから。
だからこそ、私達は言葉に出して言わなきゃ駄目だったの。
それに、そもそも言葉にしなきゃ伝わらないことってたくさんあるものね。」
穏やかな美沙の言葉に、あたしは素直に頷いた。
確かにそうだよね・・・って、思えたから。



