じゃ、って・・・・・・

呆れていれば、半ば強引に腕が引かれる。


『ちょっと!駄目だって・・・』

『いいからいいから。』

『よくないよー!』


なんだかんだ言いつつも、結局保健室についてしまった。

けれど、先生はどうやらどこかに行ってしまっているらしく、誰もいなかった。


『じゃ、テキトーに手当てでもするか。』

久流君はさらっと言うと、棚の中をごそごそとあさり始める。


『わわっ!久流君、勝手にあさっちゃ駄目だよ!』

『大丈夫。日常茶飯事。』

『・・・・・・・・・それは・・・どういう・・・』

『いっつもなんか俺怪我するから、先生が音を上げて、勝手に手当てしていいって言ってくれた。

あ、あと。先に水道の水で膝小僧洗ってきて。』


『分かった!』

あたしは素直に従い、水道へと向かった。


水で膝小僧を洗っている時、久流君のさっきの言葉について考えた。




・・・・・・そういえば、久流君の学校での出没場所って・・・


①木の上(木登りは禁止になってる)
②グラウンドの真ん中(もの凄く邪魔)
③飼育小屋の中(担当の人以外は勝手に入ってはいけない)

・・・とか、だったような・・・。


木の上で寝てたり・・・
グラウンドの真ん中で体育座りして皆の邪魔になってたり・・・
飼育小屋の中で鶏と喧嘩してたり・・・


・・・・・・・・・確かに、いつも怪我をしていても、おかしくはない。



なんて納得して保健室に戻れば、久流君がすでに準備万端で待っていた。