新撰組は、西本願寺に無理矢理屯所を移動させ、そこを本拠地とした。


山南さんがこの世を去ると同時に生まれた、重たい空気。


そして、伊東さんの存在感が増していくのも事実であった。


山南さんの切腹と同時に、背中の傷が治った小松は監察方に復帰。


しかし、それは幹部や俺といったごく一部の人しか知らない。


“伊東さんを見はれ”という、副長からの命令。


表向きは女中をやるが、本職は監察方。


それも伊東甲子太郎監視という重要な役目を、小松は受けたのだった。


その任務の末、明らかになったのは、伊東さん達が新選組を離隊しようとしていることだった。


伊東さんを筆頭とし、藤堂さんや斎藤さんを含めた隊士たちは新選組を去り、“御陵衛士”という組織を作り上げた。