副長は眉間にしわを寄せる。 これが、一番いいんだ。 「副長なら……」 「てめぇっ」 ──バンッ! 副長なら、いいです。 そう言おうとしたら、副長は畳を思い切り叩いた。 「何で焦んねぇんだよ⁉」 「……」 「小松を好きじゃないのかよ⁉」 「……好きでしたよ、俺も」 だが……俺は、過去に囚われている。 あんな過去さえなければ……。