Holy-Kiss~我が愛しき真夜中の女神達へ~【吸血鬼伝説】

 ざりりりっ。




 牙王は、もう一歩近づいた。


「今日こそは、オトシマエをつけてもらおうか。
 キサマも、闇につながれて。
 永久に飼われていれば、いいんだ!
 意味も無く、生きることが。
 何の楽しみも無く。
 目標も無く。
 時間をもてあまして、ただ生きているだけっていう事が。
 どんな事なのか、わかればいいんだ!」

 言い終わると同時に。

 牙王は、跳躍し、鋭い爪を俺に向かって、繰り出した。

 と。

 それをなんとか間一髪でカワし、繰り出された手を踏みつけて、俺は、飛んだ。


 確かに、牙王は強かった。

 とても、まともに相手などしてられなかったから。

 逃げだしたのだ。

 翼の見えない、牙王が追っては来れない、空へ……



 だがしかし。

 上空に、舞い上がったそのとたん。

 牙王もまた、地面を蹴り上げると、続いて真上に跳躍した。
 

「遅せぇんだよ。
 キサマは、よ!」


「……!」