「そうですか。では、これからあなたはどうするつもりで?もしかして──」 ひょっとしたら、反省だけでは不十分として退治に行くのかもしれない。それは避けたいことだ。 「そのことで、一つ頼まれてくれないでしょうか。」 「……何でしょう」 そこで初めて、久方は笠を上げ、その顔を依子に晒した。 顔と身体は依子の方を向いているものの、目は閉じており、目に彼女を映していない。それでも口元には微かな笑みを浮かべており、その表情のまま、彼は言葉を紡いだ。 「一つ、お相手願えないでしょうか」