「……こんにちは」


そう言葉を返したものの、内心はかなり不安な気持ちを抱いていた。大丈夫かな?この調子で会話が続くのかな。そう思っていた矢先、彼が口を開く。


「初めまして。私、久方瞬(ひさかたしゅん)と申します」


「久方……ああ、封印師の」


彼が名乗り出て、なるほどと一つ、判ったことがある。


久方。その一族は代々の妖怪退治屋であるが、その一族が行うのは『退治』というよりは『封印』。妖怪を札に封じ込めることで解決をしている。


「ご存知でしたか。ということは、あなたも同業者でしょうか」


「ええ、私は御巫依子。立宮神社の巫女をしています」


「ああ、噂ですが、聞いたことがあります。腕は一流だそうで」