《三》
良ければ神社でお茶でもと、依子に誘われた久方だが、世間話で聞かれた質問に答えたところ、木々や草木が生い茂り、登山道から外れた場所に、依子の素っ頓狂な声を響かせた。
「ウッソー、あなた同い年なの?」
「ええ、そうですが……私、そんなに老けて見えますか?」
「いや、そういう意味じゃなくて。うん、雰囲気が大人びていてね……いい意味で」
「そうですか。まあ、よく言われますからね」
そう言って、自嘲気味な笑みを隠すように久方は笠を前に傾ける。
神社までの道のりで、依子が『あなたはおいくつ?』と尋ねたところ、『当年をとって16となります』と久方の返答が。
それに驚き、改めて久方の顔思い浮かべると、言われてみれば、彼の顔は童顔ではないものの、年相応の顔立ちではあるなと思えてきた。
良ければ神社でお茶でもと、依子に誘われた久方だが、世間話で聞かれた質問に答えたところ、木々や草木が生い茂り、登山道から外れた場所に、依子の素っ頓狂な声を響かせた。
「ウッソー、あなた同い年なの?」
「ええ、そうですが……私、そんなに老けて見えますか?」
「いや、そういう意味じゃなくて。うん、雰囲気が大人びていてね……いい意味で」
「そうですか。まあ、よく言われますからね」
そう言って、自嘲気味な笑みを隠すように久方は笠を前に傾ける。
神社までの道のりで、依子が『あなたはおいくつ?』と尋ねたところ、『当年をとって16となります』と久方の返答が。
それに驚き、改めて久方の顔思い浮かべると、言われてみれば、彼の顔は童顔ではないものの、年相応の顔立ちではあるなと思えてきた。


