「威力はかなりのものですね、指先が少し痛いです」
閃光が消え、依子は久方を見る。
彼の左手には一枚の札。空中に張り付けるようにしたその札が先程の攻撃を防いだのだろう。手を離すとひらりと舞って、地面に落ちる前に燃え尽きた。
「近付くのは危険ですね。鳴神相手に、接近するのは気が引けます」
ふむ、と思案するように顎に手を当てる。その間に依子は先手を打つ。
「あなたがそういうのなら、こっちから──鳴神ちゃんッ」
依子が久方の指差した。それを見て鳴神は再び身に電気を纏い、今度はそのまま彼の元へと突進した。
「──ならば、私も式神を使いましょう」
目をつむったまま久方は笑みを浮かべ、懐から一枚の札を取り出した。


