【企画】いざ、勝負【キャラバト】


「ああ、失礼。言葉が足りないようで。──あなたの実力を見せて頂きたいのです。私としても、ここには仕事で来ておりまして、おいそれと、あなたの判断を信じて『そうですか』と引き下がる訳にはいかないのです。

それに、あなたは全ての妖怪と友達になりたいそうで。でしたら尚更のこと──」


「…………」


恐らくは、妖怪に対して甘い判断をしているのではないかと思われている。そうでなくとも、それに近いことだろう。


それは仕方のないことかもしれない。ならば、自分の思いと実力、見せつけようではないか。


「判りました。勝負、受けて立ちます」


「いえ、勝負というほどでは。私が納得できるまで、ですので勝敗を決める必要は」


ありません。といった久方は、左手を笠から離して降ろし、錫杖を一回鳴らした。



「では、参りましょうか」



その言葉が合図となった。