冷酷彼氏の憂鬱

「お前の考えていること、全部お見通しなの」

「そんなぁ?!」


 愛美は俺の発言に照れたのか、自らの両手で自分の顔を隠した。

 ……なにこれ。この仕種、かわいすぎ。

 もう無理。

 自制とか理性なんて知るか。

 俺は愛美のお腹から離れ、自らの顔を隠している両手を俺の両手で掴み、顔から引きはがした。

 目をぱちくりとした愛美と目が合う。

 俺はそのまま、壁へと押しやった。

 愛美の両手を、俺の両手で縫い付けるように固定させ、身動きがとれないようにする。