冷酷彼氏の憂鬱

「私、また何かしてしまったのなら、ごめんね……?」


 か細い声で、首を傾げながら謝る愛美に、胸が高鳴ったのが分かる。

 あー、もう。マジでコイツかわいすぎ。

 ぷつんっと何かが切れたような音がしたかと思えば、俺は愛美を壁際に押しやっていた。

 幸い、ここは教室じゃなくて屋上のため、周りに誰も人はいない。

 俺の腕の中で、びくりと震えながら顔を見上げる愛美は、またかわいい。

 ……大切な愛美を怖がらせちゃダメだと思うのに、我慢がきかない。