冷酷彼氏の憂鬱

「うぅ……」


 今にも泣き出しそうな愛美を見て、俺はまた心の中で自分を責めた。

 何やってんだ、俺は。

 また愛美を傷付けてしまった……。

 近付いてきて一線をこえてしまうのも、それをしてしまわぬよう近寄せないことも、どちらにしても愛美を傷付けてしまうのなら。

 俺はどうしたらいいんだ。

 これは一種の拷問か、何かか?


「はぁ……」


 どっちを選んでも愛美を傷付けてしまうなら、そうならないよう、俺が強くなるしかないのかもしれない。

 愛美のかわいさに耐えれるほどに。