「ねぇ、明。寺本くんの様子がおかしいの。何かあったのかなぁ?」

「おかしい……って、どうおかしいの?」

「いつになく、冷たい」


 明はきょとんとした顔をした。


「いつも冷たいじゃない」

「だーかーら!今回はそれ以上に冷たいの!何かあったんだよ、きっと!」


 冷たいの基準が分からないけれど、と、明はポツリ、呟いた。