吸血鬼たちに甘く囁かれて

私の言葉に楓君はハッとしたような顔をした。


「気のせいじゃない~?」


さっきまでの怖い顔とはうって変わっていつものかわいい顔になった。


「いやいや、絶対気のせいじゃないと思うんだけど」


楓君はうーん、とでも少し悩むような真似をして……


「……僕、二重人格なんだぁ」


と言った。