「さ、さささささっ…………っ!!」 耳元で、ゆりが声を上げるのが聞こえた。 ごめん……ゆり。 いま、余裕ない。 慌てて、俺から離れようと腕に力を込めるゆりを、ぎゅっと抱きしめる。 優しい石鹸の匂いと雨の匂いが混じった、ゆりの髪が俺の鼻をくすぐる。 「……ごめん、もうちょっとこのまま……いさせて」 温かくて、溶けてしまいそうなほどの熱に浮かされる。 そっと目を閉じると、またあの懐かしい香りが鼻をくすぐった───