「ルールは?
頭脳戦は駄目だよ。
私、負けちゃう。」
「簡単だよ。
ポッキーを多く食べれたほうが勝ち。」
そう言って、武藤くんは、ポッキーを一本取り出す。
ああ、なんだ。
そんなルールなら私にも勝てそう!
というか、ゲームの時点でポッキー食べれるの?
それって、あんまりゲームする意味ないんじゃないかな、武藤くん。
まさかそのことに気づいていないの!?
頭いいのに!
「いいよ、やろう。」
なんとなく、優位に立った気がした私は笑顔で答える。
そうして差し出されたのは、先ほどのポッキーが一本。
「一本だけ?」
「一本でやるゲームだから。
ああ、もちろん、二人でね。」
ポッキー、一本で。
二人でやるゲーム?
はっ、と気づいたときにはすでに手遅れ。
武藤くんは、いつの間にか隣に座っていて。
今度は私の好きな笑顔でこう言った。
「ポッキーゲーム、始めようか。」



