クラスの人に祝われるってなったら、ケーキ、焼かない方が良いかも。
「どした?」
ひらひらとちーちゃんの手が目の前で振られる。
「今日古典の時間にね、銀司の誕生日がばれた」
「え? あー…葵のクラス誕生日で番号当てる先生だもんね」
名前は出てこないらしい。
「うん、それで、クラスの人が祝うならケーキ焼かなくて良いかなって。胸やけになったら大変だし」
「断るでしょ、毎年葵と祝ってるんなら」
「んーでもどうかなあ、もう私たち17だから」
何達観したこと言ってんの、と佐月君に苦笑いされた。
本当にね、でもね。



