銀司が近くまで来て、まだ複雑そうな顔。 「佐月って何者?」 「んーとね、先生かな」 「先生…?」 思えば、私は銀司が私の気持ちにずっと気付かないと言っていたけれど。 私も銀司の気持ちにずっと気付かないでいた。 「うん、帰ろう」 「ん」 「そうだ、ずっと言わないとって思ってたんだけど」 何? と銀司が構える。そんな構えることもないのに。 「誕生日おめでとう」 end.