細身な身体に腕をまわして抱きついた。 好き、という気持ちが溢れている。 「葵」 「ん?」 「今すぐ離れないと襲う自信がある」 ばっと手を離す。また笑われた。 「あーちょっと、やばいやばい。なんでここベッドの上なんだろ」 「銀司が連れてきたんだよ」 「知ってる、ごめん」 さっきから謝ってばっかりだ。 くすくす笑うとまた頭を撫でられた。 溜まっていた涙が、嬉しくて零れた。 「良かったね、銀司と一緒になれて」 佐月君が笑った。