ハッピーバースデイ


細身な身体に腕をまわして抱きついた。

好き、という気持ちが溢れている。


「葵」

「ん?」

「今すぐ離れないと襲う自信がある」


ばっと手を離す。また笑われた。


「あーちょっと、やばいやばい。なんでここベッドの上なんだろ」

「銀司が連れてきたんだよ」

「知ってる、ごめん」


さっきから謝ってばっかりだ。

くすくす笑うとまた頭を撫でられた。

溜まっていた涙が、嬉しくて零れた。








「良かったね、銀司と一緒になれて」


佐月君が笑った。