ハッピーバースデイ


昼間は窓の外にあった空がそこにある。

見上げていると、ちーちゃんが後ろから声をかけてくれた。


「ちーちゃん、今から帰るの?」

「うん、佐月も居るけど一緒に帰る? てゆうか帰ろ!」

「え、良いの?」


昇降口から佐月君が出てくる。


「良いに決まってるでしょ」

「ありがと。ちーちゃん、いつも持ってるオレンジのバッグは?」


可愛い猫の柄が入っているそれをいつも持ち歩いている。

ちーちゃんが手に持っているものを確認して、口を開く。


「ちょっと待ってて」

「俺行こうか?」

「ううん、ロッカーにいれたままだったから」