銀司の唇が触れていたそこに触れる。
そのことを思い出しても紅くなれる自分がいる。
佐月君に誰か紹介してもらおうかな。
こんな陰に居る私なんて誰も相手にしてくれないかもしれないけれど。
面倒で重たいこの気持ちはそうやってでしか消すことが出来ない気持ちになる。
可愛くないな、私。
可愛くない。
ぶつかっていく勇気もないだなんて、私だって銀司のことばかり責められない。
私はただ、想っていただけなんだから。
伝えるとかそういう努力をしてこなかったんだから。
銀司が私の気持ちに気付いてくれない、なんていうのはお門違いだ。



