ハッピーバースデイ


一緒に帰ろう、と言われたのは何年ぶりだったか。

驚きながら目を見開いていると、怪訝そうな顔をされた。


「あ、でも、今日図書室で勉強して帰るから…」

「じゃあ待ってる」

「そんな、大丈夫だよ」


何言ってるんだろう。

なにが、大丈夫なんだろう。

銀司が困ってる。


「私、今日、ちーちゃんと佐月君と帰るから、ごめん」


立ちあがって逃げるように教室を出てしまった。

もう疲れてしまった。

全部全部。