ハッピーバースデイ





私は徹底した。

銀司のことを考えるのをやめたし、極力視界に入れないようにした。

そうしたら昼休みくらいしか関わることがなくなった。


「最近、葵ぼーっとしてない? なんかあった?」

「何もないよ。最近あったかいからね」

「ちょっと、そんなおばあちゃんみたなこと言って。あ、西村の誕生日は祝えた?」

「うん、喜んで貰えたよ」


胸やけはどうかわからないけれど、嘘は言ってない。

佐月君は何も言わずにご飯を食べている。


「そっかあ良かった」


なんか、泣きそう。