多分、運命なんだと思う。 銀司は私と仲良くしてくれるけれど、それまでなんだ。 だって陽と陰だ。 手が届かないなら、手が届かない距離で生まれれば良かったのに。 「葵ちゃん、」 いつの間にか隣に並んでいた佐月君に気付く。 「なんか、ごめん」 「え、あ、そんな。佐月君が謝ることじゃないよ、てゆうか嘘吐いてごめんなさい…」 「こちらこそ、レシピ本買わせちゃって…」 「これは欲しかったから。あの…ちーちゃんには」 それが一番気にしているところです。 勿論言えない。きっぱりと言った佐月君。