「いらっしゃいませ、イカ焼き2つですね」


笑顔でイカを焼きながら、オーダーを受ける私。

私がなんで、来て早々イカを焼いて居るのかと言うと、原因は横に居るコイツ。


遡る事、数時間前。

外はメチャクチャ晴れてて、やっぱりバイトを休めない事に憂鬱な気分の私。

もしかしたら、泣いちゃったり笑えなかったり、はたまた手と足一緒になって歩いてしまったりしたらどうしよう……


なんて思いながらも、ちゃんと時間通りに家を出た。


ら……


!!!!!



「ちょっ…ちょっと、なんで居んのよ?」



朝っぱらから近所迷惑な大声で叫ぶ私。

だってさ、居るんだもん。

コイツが……


「お前が、ズル休みするから」


そう言いながら、自転車の上で偉そうに座っている男子1名。

しかも、機嫌悪そうな顔で。


「ズル休みじゃないし!!」


「ズル休みだろ?ほら、行くぞ」


ボーっと突っ立ってる私をよそに、出発してしまう蓮。

迎えに来たのかイジメに来たのかは分からないけど、とりあえず何にも考える暇無く、気が付いたらバイト先に着いていたのだ。