プツンと糸が切れた。

今まで我慢していた糸が、意とも簡単に音を立てて切れたんだ。




「あんたに…あんたに、私の何が分かるのよ!!!」




そう叫びながら砂を掴み蓮に投げつけていた。


「おいっ!!なにす……」


「何でも知ってる様な口調で言わないでよね」


そう捨て台詞を吐き捨てると、土手に向かって走り出していた。


「あいり!!」


後ろで聞こえてくる彩乃の叫び声。

ごめん、今止まれないよ。
彩乃も蓮も悪く無いの。

誰も悪く無いの。

でも、もう傷つきたくなかった。


何度も転びそうになりながら、それでも走る事を止められなくて、止めたら壊れちゃいそうで怖かったんだ。


あてなんて無かったけど、とりあえず暗闇を走って走って疲れるまで走って……


たどり着いたのは、家の近くの公園だった。

電灯が少なくて暗いから、いつもは1人で入らない公園。


今は、どうでも良かった。


もう、傷つく位なら死んじゃえば良いのに……なんて、半分自棄になってた私。