麦わら帽子に汗だくの顔。
Tシャツは暑くて袖とか捲っちゃってるし…

それに対して、清花はバッチリメイクに綺麗にアップにされた髪型。

そして、白い肌にターコイズ色の水着が栄えていた。


完敗じゃん。


こんな惨めな姿で……何にも言い返せないよ。

ギュッと噛んだ下唇は、きっと真っ赤になって居るんだろうな。


そんな時

「お前さ、ちょっと中行って手伝って来てくんない?」

蓮はそう言うと、私の背中を押しながら中に戻る様に促した。

私は蓮に言われるがまま、ホールに入って翔君と彩乃を手伝う事にした。


そんな背中で聞こえて来た言葉。


「彼氏さん、うちのバイトナンパするの辞めて貰えます?営業妨害なので」


あくまでも冷静な蓮。

幸二は必死に否定するものの、蓮の言葉を聞いた清花は完全に幸二にキレていた。

「お客さん、痴話喧嘩するならあっちでやって下さい」

やっぱり、普段通り冷静な蓮。

すると、蓮に悪態をつきながらも喧嘩している2人の話し声がだんだん遠くなって行った。

そんな蓮の言葉を聞いていて、涙が出そうになる。


振り返って蓮を見ると、ニンマリと悪そうな顔で笑いながら1つ頷いていた。


そんな蓮を見て、また泣きそうになった。