自転車置き場までの少しの距離。

私達は、手を繋ぎながら歩いている。


暗くなってくれたおかげで、幾分か恥ずかしさはないものの、どうしてこうなったんだろう……なんて考えてみた。


原因は私か。


意味不明の蓮からのキスと、意味不明に手を繋ぎ歩く私達。


私は蓮に何を求めているんだろう?


不意に浮かぶ疑問が、グルグルと頭の中を回っていた。


私達は似ていると思う。

だからなのかな?

邪険に扱われても、何となくシカト出来ないのだ。


蓮は何も思わないの?


普段通りに見える蓮の後ろ姿を見ながら、さっき振られた人が考える事じゃないな~なんて笑えてくる。


「ふふふっ」


少しだけ笑いながら歩く私を


「何だよキモイな――」


なんて言いながら振り返る蓮。

あっという間に自転車置き場まで着いた私達は、自然と繋いでいた手を離した。