男が去った後もあいつはその場に立ち尽くしていた。
よく見ると肩が小刻みに震えている。
泣いているのか……?
その時、俺の中で何かが動いた。
俺…いつの間にか、
あいつに対して興味以外の別の感情も持っていたみたいだ。
他の何でもない“好き”という感情。
今まで本気の恋というものをしたことが
なかった俺が
あいつの他の表情を見た瞬間に揺らいじまうとはな……。
「もう、恋なんてしない………」
俺がそんなことを考えていると、小さく掠れた声が聞こえた。
「…ふっ………」
やっぱ…おもしれぇ……。
その後、あいつの驚いた顔や怒った顔……
いろいろな表情を見て思った。
いつの間にか俺、本気であいつに
落ちちまってたみてぇだ……。

