「……エリカは、妹みたいな存在だよ。」


「でも…
でもエリカさんは…斗真の事好きなんじゃない……?」


「…葵?
もしかして…エリカの事?」


「……ごめん
お店のバーテンくんから聞いちゃった…。斗真が彼女と暮らしてるって…」


「…そっか…それで…店こなくなったのか?」


コクリと小さくうなずいて答えた。



「…ごめんな?」

斗真は私の手をギュッと握りしめた。



「…葵?
今は何も聞かずに、俺の事信じて…
待っててほしいんだ」


「……え?」


あの夜、
エリカさんが斗真を見つめる瞳は、斗真に恋をしている瞳だった。


そのエリカさんと一緒に一つ屋根の下で暮らす斗真の事…


信じて
待つ?