ピピピピピピピピ。 目覚まし替わりの携帯アラームが部屋に鳴り響いた。 エステの店の営業時間は10時から20時。 …今日も多分ギリギリ。 ささっと5分で支度をすませて、マンションの階段を駆け降りる。 ノーメークにサングラスというイデタチでタクシーに乗り込み 「飛ばしてください…」 運転手さんにそう声をかけて、ワンメーターの短い距離を走るタクシーのシートにもたれかかり目を閉じる。 ほんの少しでも眠りたい。 いつも寝不足の私にとって貴重な睡眠の時間だった。