「…それでもいいよ」


斗真は優しい声でそう言った。


「でも……」


「どんなに苦しい事でも辛い事でも、それでも、葵の事を思い出せるんならそれでいい。


葵がそばにいてくれるならきっと、乗り越えられるはず…
だろ?」




「…………」




「俺を信じろよ。葵!
ほら!…行くぞ!」


斗真は答えられない私を強引に連れて走りだした。