あたしのために?
だから自分から?
やりきれない思いで胸がズキンと痛かった。
「ほんと、バカだよね?
たった一人で、そんなとこ乗り込んでいくなんて…
ほんと、大バカだよ。」
私は独り言のようにつぶやいて手のひらで顔を覆った。
…斗真?
私が傷ついた姿をみて
あなたが苦しかったように、
私も今、苦しいよ…
「あの時、斗真はすごい出血で、あたしはそれ見ただけですごくパニックになって…
すぐに病院へって思ったんだけど…
でも、斗真は、葵さんとこに連れて帰ってほしいって。
迷ったけど斗真の言う通りにするしかなくて。
でも…もしかしてそれで治療が遅れて記憶が?って思ったりして。またあたしの…」
「ううん。それは違うと思う。
それよりも、あなたが斗真を運んでくれたんだ?」
彼女は少し安心したように頷いた。
あの時の斗真の姿を思い出した。
確かにあんな状態で一人で家まで辿りつけるはずがない…


